JR東日本が所有するE3系新幹線。かつては、新在直通のミニ新幹線として「秋田新幹線」の「こまち」用としてデビュー。その後1000・2000番台の「つばさ」もありますが、基本番台となる0番台で新型E6系「こまち」(当初は差別化するため「スーパーこまち」)がデビューし、余剰となったうち1編成のR18編成が「とれいゆ つばさ」に改造されました。ここでは「とれいゆ つばさ」をご紹介します。
「とれいゆ つばさ」とは
「とれいゆ つばさ」のうち「とれいゆ」という名称は「トレイン(列車)」と「ソレイユ(フランス語で太陽の意味)」を組み合わせた造語であり、「食」や「温泉」、「歴史」「文化」「自然」を温泉街を散策するように列車を楽しむ…という目的、意味を込められ命名されました。
エクステリアデザイン
山形の中央にそびえる主峰「月山」をモチーフに、この土地のシンボルであるその姿をおおらかな円弧で表現しました。カラーリングはテーマカラーの月山グリーンを中心に、山形の大動脈として流れ続けてきたもう一つのシンボル最上川の趣のあるブルーを先頭に配しています。また特徴的な円弧のラインはこれまでのつばさのイメージを踏襲しながら沿線の美しい山々をあらわし、全体を蔵王の清々しい白で包みました。
JR東日本のってたのしい列車ポータル内「とれいゆ つばさ」より引用
https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/toreiyu.html
車外行先表示機
専用の「とれいゆ」の種別も用意されています。
車内
車内に掲出されているインフォメーションボードです。
11号車は普通指定席、12~14号車はお座敷指定席(うち14号車は「びゅう旅行商品限定」)、15号車は「湯上りラウンジ」、16号車に「足湯」があります。
11号車:普通車指定席
11号車の普通車指定席です。「こまち」などで運用されていたときはグリーン車だった座席も、「とれいゆ つばさ」では普通車に。
なので乗り得車両になっています。
シートピッチは、1,160mmと快適な間隔。背面テーブルも大型のものが採用されインアーム式のテーブルも装備。さらに、フットレストも装備されているので快適に過ごすことができます…が、観光列車感は薄れますね。。。
6番席には車いす対応座席も設けられています。
12号車~14号車:お座敷指定席
12号車~14号車はお座敷指定席となり、大幅に改装されています。
座面部分は畳敷きになっており、その上に座布団が置かれています。
この座布団、「天童将棋駒」のデザインだそうです。
時期柄、座席が向かい合ってることもありアクリル板によるパーテンションが置かれています。
荷棚部の座席番号表示はオリジナルデザインのものを使用。
山形のフルーツをイメージしたのでしょうか。
ちなみに、両車端部はパンフレットなどが置かれるスペースと荷物置き場を兼ねているようです。
15号車:湯上りラウンジ
15号車には湯上りラウンジとして、畳敷きになっていてのんびりくつろぐこともできます。
ソーシャルディスタンスの紙が置いてあり、程よい社会的距離を取りましょう…ということだそうです。
記念撮影用のパネルも用意されています。
端にはガラスケースがあり、、、
「こけし」など伝統工芸品が飾られています。
バーカウンター
車内販売カウンターとして使われるバーカウンターです。
果実、フルーツが盛んな山形だからこそ、ディスプレイとはいえこういった果物類が置かれているのはおしゃれですね。
とれいゆつばさのオリジナルトートバッグをはじめ、奥にある日本酒など様々なものが売られています。
乗車記念証がQRコード、、、現代ならではですね。
(https://jreast.co.jp/sendai/202112memorial/toreiyu.jpg)
QRコードを読み取ると上記のような画像が表示されました。紙資源の使用を減らしつつ、現代の人はデータで残す…ある意味マッチしたような感じですが、できれば紙ベースも欲しかったりしますよね。。
さて、始発駅発車前に16号車の足湯利用券が発売されます。
特急券を提示したうえで、うまく時間が割り当てられたり、好きな時間のタイミングで購入できたり、、、そのときによるようです。
引退発表後から多くの方に利用されているようで、、、足湯当日券は始発駅発車前に完売することもしばしば。
筆者は無事足湯利用券を購入することができ、、ご案内用紙を頂きました。
足湯利用券を購入すると頂けるのが、「とれいゆ」の袋に入った
タオル。タオルもロゴ入りでいいですよね。
16号車:足湯
16号車は「とれいゆ つばさ」の一番の目玉でもある足湯があります。
足湯へと繋がる通路はまるで旅館の廊下みたいな雰囲気。
ちなみに、先ほどの突き当り腰掛けるイス部分から15号車側を眺めるとこのような雰囲気。
これも幻想的ですよね。
その隣には更衣室も用意されていて、
足元は畳敷きで、さらに簡易的な腰掛け、全身鏡を装備するなど、更衣室としてはしっかりした装備。
女性の方などストッキングを履いている場合に利用することが多いそうです。
角を曲がることで足湯のスペースになります。
足湯は1つの浴槽に対して1・2・1の仕切りで定員4名。
新幹線車両の足湯なんて、、、信じられません。
そして、筆者の立っているエリアは土足厳禁です。
浴槽下部にも照明が埋め込まれており、、トンネル内などで幻想的な空間に。このあたりの空間演出はさすがですよね。
新型コロナウイルス感染症対策として、湯守アテンダントが利用終了後に消毒作業をされていました。
こういった取り組みがあるからこそ安心して利用できますよね。
トイレ・洗面所
トイレ・洗面所は11号車・13号車・15号車に装備。
11号車トイレ側のデッキです。
11号車のトイレは、温水洗浄便座つきのトイレが装備。さらに、ベビーベッドも用意されています。
トイレの隣には洗面台があります。とっても暗い雰囲気ですね。。。
さらに洗面台の隣には、男性用小便器もあります。
こちらは13号車のデッキ。薄暗い空間のように感じますが壁面が黒塗りのため暗く見えちゃいます。
13号車・15号車のトイレは、コンパクトにまとめられた空間に。温水洗浄便座はついていません。
男性用小便器は11号車と変わりません。
その他、荷物置場がデッキに設けられていますが、、、主にスキー板収納を見越した設計に。
その他
新庄駅では降客後、側線で上りまでの運用に備えます。
「つばさ」「とれいゆ つばさ」どちらもこのように見れるのは、、残り僅か…ですね。
(E3系「つばさ」はE8系に置き換え予定決定済み)
新庄駅の乗車口案内表示。「足湯」と表示されるのは「とれいゆ つばさ」ならではですね。
その「足湯」車両の16号車は直接乗車できないよう、チェーンが張られています。