JR東日本が1997年から2003年に製造した2階建て新幹線で、老朽化した200系新幹線の取り替えや、E1系「Max」導入後も増え続ける新幹線での通勤需要に対応するために誕生した。
全部の車両が2階建てで、かつ8両編成×2本の連結で16両編成に。16両編成での座席定員は1,634名(出入口付近のジャンプシート含む)と高速で走る列車では定員が最大に。
老朽化に伴い、現在徐々に運用を減らし、2021年の秋ごろには運用を終了する予定になっています。
そんな、活躍残り僅かなE4系「Max」をご紹介します。
外観
2編成が連結した姿。定期運用でも連結・分割併合が行われています。
登場時は黄色でしたが、今は上越新幹線でのみ使用されるため朱鷺の色に変えられています。
3色式LED表示器が装備され、列車名と座席種別(指定席/自由席)が表示されます。
2階建て新幹線ならではの「1階」「2階」の表示もあります。
2つの列車が連結し、16両での運用もあるので号車表示器は3色式LED表示器で表示されます。
列車編成
車内に掲出されていた案内です。
グリーン車は、7・8・15・16号車の2階にあります。
車内・グリーン車
デビュー当時、Maxの塗色は黄色ベースだったこともあり、グリーン車にも黄色が目立つように配色されています。
かなりリクライニングしますが、インアームテーブルはありません。また、全席にはフットレストバーがあり、調整して使えるようなフットレストはありません。
テーブルは大型のものですが、最近の車両と大きさがあまり変わらない気も…。
最前部の座席には、どこからか持ってきたようなフットレストがあります。
また、壁面に取り付けられた折り畳み式のテーブルも。
頭上には個別のライトもあります。
車内・普通車
4~6号車・12~14号車 2階席
基本的に「Maxとき」での運用時は指定席になる2階席は、人気もあるのか「えきねっと」での割引乗車券での設定はありません。
座席の筐体自体は他の席と変わらないので後述します。
デッキとの仕切り部の扉は青色です。
1~8号車・9~16号車 1階席
1階席に関しては指定席も自由席も座席は変わらず、2階と同じものが装備されています。
3人掛けの真ん中の席が少し前にせり出していて、窮屈さを感じさせないように配慮されているのでしょうか。
リクライニングの量は普通で、当時JR東日本が採用していた座面スライド機構もあります。
デッキとの仕切り扉は黄色に塗られています。
2・4・6・10・12・14号車 1階席FL(フラットシート)
構造上、ほぼ2階建てですが、一部階段を使わずに座席に掛けられる席が設定されています。
通路、デッキの仕切り扉に近い部分は座席が1席削られ、ラックと簡易的なテーブルがあります。
1~3号車・9~11号車 2階席
いまはありませんが、全車指定席以外では指定席の設定がほぼされることのない1~3・9~11号車の2階席。
長距離通勤需要に応えるため、自由席は3列×3列のリクライニングのしない回転クロスシート。
いまや座席リクライニングのない新幹線は、このE4系「Max」のみに。
座席幅もさることながら、通路も非常に狭くなっています。
座席間のアームレストもありません。
テーブルは前の座席に備え付けられており、問題なく使うことができます。
座席は筐体を回転させる仕様に。普段とは違う座席にちょっと驚きだらけです。
窓枠部には飲み物を置くことができるよう考慮されています。
通路側でも、前列にテーブルがない座席にはバスで使われているようなドリンクホルダーがあります。
2階席のデッキとの仕切り扉は他の車両と変わらず青色です。
デッキ部・ジャンプシート
高速列車で世界一の座席定員を誇るには、こういったところもカウントされています。
デッキ部にはジャンプシートが装備されて短距離の利用でわざわざ階段を利用したくない、、そんな需要にも応えているような気も。
座面は、背もたれつきでモケットは2階座席のモケットが使われていますね。
雰囲気、JR西日本の223系1000番台の補助席を1人用にしたような感じですね。
車内・お手洗い
多目的室の向かいに身障者対応トイレが装備されています。
5・13号車に身障者対応トイレがあり、ベビーベッドが装備されています。
機器室が並んだ奥にはトイレがあります。
通常サイズのトイレもありますが、非常にコンパクト。
色使いも時代を感じますね。。。
洗面台には鏡に蛍光灯が入れられています。
蛇口はせっけんと水、さらにハンドドライヤーもでる1台3役の水栓ですが、現在ハンドドライヤーは新型コロナウイルスの影響で使用停止中でした。
男性用小便器も装備されています。
やっぱり、色が気になります。。。
車内・その他
ドア上には、3色LED情報表示器を装備し、号車表示は7セグメントLED式のデジタル表示。
新幹線で7セグメントLEDの表示器が採用されたのは、300系とこのE4系だけでしょうか。
出入口デッキと1階/2階へと向かう階段の真ん中には車内販売ワゴン用のエレベーターがあります。
1階部分から見るとこのような形に。
8号車・16号車へは、車いすをご利用の方が2階席に移動しやすいよう昇降装置が設置されています。
新幹線のなかに昇降装置がある時点で凄いですよね。。
3・7・11・15号車にはテレフォンカード式公衆電話が現存していましたが、サービスは終了しました。
営業はしていないものの車内販売スペース。レンタル式モバイルバッテリーの貸し出し装置のほか、
カメラのバッテリーがやばい…!ってときにも使える電源タップも置かれています。
車内販売をやめて少しでもサービス向上をしているのでしょうか。
ちなみに、車内販売スペースには、コーヒーメーカーやら無線装置などがそのまま残されています。
E4系「Max」は2021年10月1日定期運用撤退・その後引退予定
老朽化のため、上越新幹線で活躍しているE4系「Max」は2021年10月1日に定期運用撤退、その後団体運転ののち引退が決定しています。
2編成連結の16両で世界最大の座席定員を誇る高速列車、独特の車内を楽しみつつ残り僅かな2階建ての旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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