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JR九州 特急「いさぶろう・しんぺい」 キハ47形

JR九州

肥薩線の通称・山線区間とも呼ばれていた人吉~吉松間。雄大な霧島連山を望む日本三大車窓の一つ「矢岳越え」やスイッチバック、ループ線など様々な景色を楽しめる観光列車として「いさぶろう・しんぺい」が1996年3月16日より運行を開始。現在のキハ47形車両は、九州新幹線鹿児島ルート部分開業の2004年より運行を開始。豪雨災害により現在は運休を余儀なくされ、新しい観光列車に再改造されることが決まった「いさぶろう・しんぺい」をご紹介いたします。

「いさぶろう・しんぺい」とは…?

「いさぶろう」「しんぺい」は、1996年3月16日に人吉駅~吉松駅間に4往復運行されていた普通列車のうち、1往復をキハ31を簡易お座敷化した専用車両を用いて、固有の列車名を付ける形で運行を開始。下りの人吉駅→吉松駅は「いさぶろう」、上りの吉松駅→人吉駅は「しんぺい」と別々の列車名で運行されていた。

2004年に九州新幹線鹿児島ルートが部分開業すると同時に、新たに専用車両のキハ140形を投入したこともあってさらに人気が高まり、当初は1往復、1両編成での運行だったのが現在では2往復、2両または3両編成での運行でした。2016年3月26日のダイヤ改正では1往復が熊本駅発着に延長され、2017年3月4日のダイヤ改正では熊本駅~人吉駅間が特急列車に格上げされた。

愛称の由来は、「いさぶろう」が人吉駅~吉松駅間が建設された当時の逓信大臣であった山縣伊三郎、「しんぺい」が同区間開業当時の鉄道院総裁であった後藤新平で、矢岳第一トンネルの矢岳方入口に山縣の「天険若夷」、吉松方に後藤の「引重致遠」の扁額が残ることにちなむものである。それぞれ、揮毫者の名を冠する列車が揮毫した扁額に向かって走る形でした。

外観

古代漆塗の塗装が施された外観はレトロチック。このころの水戸岡デザインは、まだ比較的落ち着いていましたね。

とはいえ、ロゴ類はしっかりと貼られています。

サボには「47DC SINCE 2004 KYUSHU RAIL COMPANY」と、「いさぶろう・しんぺい」のデビュー年が書かれています。

側面サボには「いさぶろう・しんぺい」専用のものが用意されています。

車内

1号車 キハ47-8159

1号車となる「キハ47-8159」。天井のライトは同じ時期にデビューした「はやとの風」と同じ灯火類が使用されているほか、車内のボックスシートは重厚感あるレトロな雰囲気に。

車両中央部にはフリースペースが設けられ展望できるようにもなっています。

運転台直後の座席はモケット柄が変えられています。
こちら、特急列車と普通列車を兼用するがゆえに、運賃箱と運賃表示器が残置されています。

こちらは2号車側の連結部。
トイレ前と横にフリースペースが設けられています。

トイレはJR九州らしい白を基調とした清潔感あるトイレに仕上がっています。

2号車 キハ47-9082

1号車と比べて少し明るい雰囲気ある2号車の「キハ47-9082」。

ボックスシートのほかに、

2人掛けの座席も設けられています。なお、戸袋と小窓部なので眺望は…

1号車にも車両中央に展望スペースが設けられています。

1号車運転台直後には

フリースペース座席として、7席分スペースが設けられています。
人気だった「いさぶろう・しんぺい」は、時刻表にも自由席が少ないから指定席を買うことをおすすめするよ、と記載ありましたしね。

運転台

運転台は種車のキハ40系がそのまま使用されているほか、JR九州で運行するのに必要な設備が追設されています。

前面行先表示幕

鹿児島車両センターでの撮影ツアー時に幕回しをして頂けました。
行先は豊肥本線ですが…使用する機会はほぼなかったかと。

「いさぶろう・しんぺい」は2023年10月4日最終運行

JR九州で活躍していた特急「いさぶろう・しんぺい」は、2023年10月4日に最終運行を迎え、その後再改造され新たな観光列車としてデビューします。19年間の活躍に感謝するとともに、新しく生まれ変わる観光列車の姿も楽しみですね。

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