JR東日本が伊豆への観光列車として2020年3月に「スーパービュー踊り子」に代わる新しい特急「サフィール踊り子」を投入。普通車もグリーン車もある「スーパービュー踊り子」からグリーン車のみの編成に。さらには「プレミアムグリーン」も登場し伊豆への旅がさらに上質なものに。訪日外国人観光客向けに「ヌードルバー」を設けたりと、今までとは違う列車がデビューしました。そんな「サフィール踊り子」をご紹介いたします。
外観
観光流動の創造と地域の活性化することを目的として、伊豆エリアに向けた新たな観光特急列車「サフィール踊り子」用の車両として導入された。トータルデザインは、E6系秋田新幹線用車両やE353系中央線特急用車両などを手掛けた、奥山清行が率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当し、外装色の紺碧色は「伊豆の海と空」、白色は「伊豆の砂浜が太陽の光を受けて金色に輝く様子」、グレーは「溶岩地形である城ヶ崎海岸の黒々とした岩石」を表しているそうです。
また、「サフィール」は「サファイア」を意味するフランス語だそうです。
車両編成
伊豆急下田側の先頭車が1号車、東京・新宿側の先頭車が8号車です。
1号車 プレミアムグリーン
伊豆急下田側の先頭車・1号車にはプレミアムグリーン車が設けられています。
プレミアムグリーン車のグリーン券(特急券)購入には、みどりの窓口もしくは指定席券売機で発売されており、えきねっとでの購入はできません。
プレミアムということで、いったいどんな座席なのか気になります。
デッキとの仕切り扉にも「プレミアムグリーン」の表示が。ワクワクさせてくれますよね。
はっきり言って、照度が足らず撮影もなかなか難しいですが、、、先頭車なので座席は進行方向向きにセットされています。
全体で見るとこのような暖色系の照明と革張りの座席、バックシェルが採用されています。
プレミアムグリーン車は何といっても2列配置。10列わずか20席のみの設定で、週末・土日になると争奪戦になることも。
バックシェルが採用されたことで、後ろの人へのリクライニングを気兼ねなく行うことができます。
この微妙な空間はどのように使うかは個人の自由ですが、、、足を入れたり脱いだ靴を入れたり、、はたまた小さいバッグなどを入れたり、、なにかと使えそうなスペースです。
座席脇には電源コンセントも装備されており、現代ニーズにあった装備となっています。
フル展開の図。ぱっと見リクライニング量があるようには見えないですが、、かなり倒れます。そして、レッグレストも出てきて、、快適そのもの。
座席のリクライニングなどは手元のリモコンで操作し、電動で動きます。
いろいろ調節するのが面倒な人は、単純にリクライニングボタンでいい感じに倒れてくれますし、逆に細かく調節をすることも可能です。
しかし、設置位置が微妙でちょっと体勢を直すのに座りなおすときに触れてしまったりして角度が変わったりも。もうちょっとなんとかならなかったんでしょうか。
ヘッドレスト部にもシェルが採用されているので、たとえ隣が知らない人でも楽しむことができるよう配慮されています。。。が、伊豆急下田行きでは奇数の座席では車両の梁が目の前に来るので眺望がちょっと微妙だったり。。。
一番前の席ではダイナミックな眺望が楽しめます。
また、車内案内表示装置は三菱製でしょうか。かなり大きいものが搭載されています。
プレミアムグリーン車には頭上の荷棚がなく、荷物置き場に置くことになりますが、、、管理は自己責任です。
2・3号車 4人用グリーン個室・6人用グリーン個室
2号車・3号車には4人用グリーン個室と6人用グリーン個室が設けられております。
山側に通路があり、海側に個室が設けられております。
4人用グリーン個室
ゆったりとした2人掛けの革張りソファが枕木方向に設置され、真ん中に木目調の大きなテーブルが設置されています。
6人用グリーン個室
6人用グリーン個室は、テーブルがレール方向に長いものが設置されています。
端の人は足元が狭くなるので、、ちょっと使いづらそうだな、、と思ったりも。
4人用グリーン個室/6人用グリーン個室 共通事項
まず、テーブルに滑り止め機能はありません。事前に購入した缶やペットボトル、車内で販売している瓶などは滑り落ちることも。
そういったコップ用にも新幹線みたく窪みをつけてくれればより使いやすさが増すとは思うんですが、、
個室内には、フルカラー式LED表示器が取り付けられており、次の駅到着前の案内や車内の案内などが流れるようになっています。
何か用があるときは、まるでホテルの「清掃してください」の札みたいにかけるとアテンダントが来るようです。
あとは、車内メニューのご注文方法の案内。
いまや「〇〇Pay」が流行ってますが、ここでは「サフィールPay」というものがあります。
ヌードルメニューを注文すると、アテンダントが伺いに来て、配膳の時間も選べるようです。
ここにある棚は、
通路の扉横につながっており、車内販売等ではここでやり取りをすることも考えられて作られたのでしょうか。
ちょっとおしゃれな照明器具が通路側のテーブル部に備え付けられています。
回転しそうな雰囲気ですが回転しません。(笑)
そして、AC100V電源コンセントが2口、DC5VのUSBポートが1口、このセットが反対側の通路側テーブル部にも備え付けられています。
ちなみに、コンセントは合計1400ワットまで使えると書いてあるんですが、、実際はそんなに使えるんですかね。。。(笑)
客室内の照明はボタンで操作することによって、いろいろな雰囲気にすることもできます。が、真っ暗・消灯というのはできないようです。
5~8号車 グリーン車
海側2列・山側1列の3列配置となっています。どこかで見たことあるような座席筐体。。ほぼほぼE6系のグリーン車と同等品かと。。
通路部はフローリング、座席部はカーペット敷になっています。また、随所に木目調にあわせた色が使われています。
こちらはかなりゆとりのある座席間隔ですが、フルリクライニングをすると後ろの席の方にご迷惑かかりそうな気も。
荷物置き場も設けられており、大型スーツケースなどはここに保管することも可能。ただし管理は自己責任です。特に施錠するようなものもないですし、旅客の判断に委ねられますね。
こちらは8号車・東京側の先頭車
座席番号が1,5~7号車と配置が違うので注意が必要です。
そして、先頭の1番席のところにテーブルと仕切りがあり、、、その前が展望スペースということになるのでしょうか。。。前身の「スーパービュー踊り子」のようにしっかり展望する席があればよかったのでしょうが座席配置や窓割りの関係で見送られたのでしょうか。
4号車 カフェテリア
なぜかヌードルが食べれるということで話題になったカフェテリアですが、ここで車内販売品も購入できるそうです。。。
ちなみに、ヌードルは「サフィールPay」での事前予約制で、注文時決済。決済後の画面QRコードを読み取ってもらうことで注文ができます。
カウンター席とテーブル席があり、選べないようです。
「サフィール踊り子」のロゴが入ったランチョンマットは防水加工もされております。
ちょっと小ぶりなサイズですが車内で頂ける「ヌードル(650円)」
「チャーシューヌードル(950円)」です。
どちらも醤油ベースのあっさりとした味わい。伊豆へ向かう時も伊豆から帰る時も食べると違った味わいができる、そんなヌードルでした。
ちゃんとしたキッチンがあること自体が驚きです。昔のちょっとした食堂車チックなところがまたいいですね。
大きな寸胴鍋があること自体が、、列車では考えられないですが、「非日常」を体験できる列車ならではでしょうね。
ちなみに、個室で注文した場合は、写真に写っているサフィール色の紙製の容器に入れられて提供されます。
キッチンの横には、配膳や手洗い場まで完備。充実した装備ですね。
お手洗い・洗面所
お手洗い・洗面所は2,3,5,7号車に設定。うち5号車は身障者対応トイレとなっています。
扉は、デッキとの仕切り扉と同じとすることで統一されています。
JR東日本の新幹線では標準になりつつあるTOTOの温水洗浄便座「ウォシュレット」が装備されています。
手前に男性用小便器と奥に洗面所。
男性用小便器の足元には、、アミアミが貼ってあります。。。足元が滑るとかそういった感じでしょうか。
洗面所はカーテンで仕切ることができます。そのカーテンも「サフィール」色。拘りがハンパないですね。
こちらは5号車にある身障者対応トイレ
従来以上に広く作られており、電動車いすご利用の方が取り回しできるよう配慮されているようです。
身障者対応トイレがあることにより、洗面所が枕木方向に設置。その奥左手に男性用小便器があります。
運転席
非常にゆとりを持った作りをしているようです。また、ワンハンドルマスコンが採用されています。
座席表
最後に座席表をご紹介して終了いたします。
8号車のみ座席番号が逆転しているので、指名買いする際は注意が必要です。